人を変えてしまうサッカーノート

ノートの原点

僕のノートの始まりは小学5年生。コーチにサッカーノートを作るように言われたのが始まり。初めて大学ノートを買い、そこにその日の出来事でも良いし、サッカーのことでも良いしとにかく毎日書くように言われた。そして練習前にコーチに見せる。ノートを書く理由なんて分からなかったし、正直面倒くさかった。宿題が1つ増えたみたいで好きじゃなかった。それでも書いていた理由は罰があったから。書いてこなかったり、忘れたりするとペナルティとしてバービージャンプを100回をやらされた。

バービージャンプ

→起立状態から腕立て伏せの状態になり、両足を胸に寄せ、戻し、起き上がってジャンプを素早く繰り返す全身運動。

書く理由は不純だったがそれでも毎日書いていた。サッカーの練習があった日は子供ながらに反省点や修正点をずらずら書いた。今そのノートは行方不明になってしまったがこれが僕のノートの原点だ。

また、5年生からサッカーと同時進行で2年間だけ少年野球をやっていた。兄弟でサッカーをやっていたが父親は僕たちに野球をやって欲しかったらしい。兄がやらなかったため、僕がやる事になった。それなりに楽しかった。2年間だけだが野球をやったことでサッカー、GKの成長に繋がった部分は多くあると思う。また今度ブログに書きたいと思う。野球でもノートを書くことを求められた。こっちは、練習のある日だけで反省点や素振りの回数などを記した。

 

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自主的に書いたノート

中学でも顧問の先生にサッカーノートを書くように求められた。しかしそれは強制的なものではなく、続けなくても問題のないものだった。僕は書きたくなった時だけサッカーノートを開き、書くようになった。特に多かったのは、負けた試合や納得のいかない試合をした時。不思議なことに、ノートに書くと気持ちが落ち着いた。悔しくてどうしよもない気持ちが和らいで行く。満足するまでノートに思いや考えを書き終えるとスッキリしていた。また、気持ちだけでなく技術的なことや戦術的な課題を書くと頭も整理される。そこで『言葉にすること』の重要性に初めて気がついた。何が良くて悪いのか明確に文字にして行く。課題の克服は早くなり、常に考える癖がついた。中学3年の頃には周りとの考えるスピードや考え方の差に〝ズレ〟を感じ、それを明確に実感するのは高校に入ってからだった。

高校では明らかに周りとの考え方に差がついていた。褒められることではないが、模試は時間が余って暇だったので、問題用紙の余白をサッカーノート代わりにしたこともあった。ゴールを奪う、ゴールを守る目的から逆算して自分たちはどんなプレーをすべきか、細かく分解した。常に考えることが癖であったが故に不満も感じるようになった。それは監督、選手にに対して。監督には具体性を求めるようになり、選手には良いプレーを再現できないこと、悪いプレーを繰り返すことに腹がたった。しかし、その感情を沈めてくれたのもサッカーノートだった。どう伝えたら良いか、どうしたら分かってもらえるか書くことで次に繋げ僕の感情を沈めてくれた。

僕の教科書

僕はサッカーノートによって1番変わったのは〝考え方〟だ。いつしか選手ではなく指導者よりの目線に立つことが多くなった。高校は50人以上いる部活だったので、僕に合わせることはない。監督、コーチも出来ない選手が多ければ何度も同じことを言うし、何度も同じ練習をした。もちろん僕も復習になるし反復練習になるのが分かっていたから一生懸命取り組んだ。しかし、復習ばかりだった。なかなか前に進めなかった。愚痴みたいになってしまっているが、僕と同じ思いをしている選手は必ずいる。それは今、指導をする立場にいるからよく分かる。そういった選手に選択肢は2つ。1つはもっと高いレベルで切磋琢磨出来るところに移る。それが無理なら自分がチームを引っ張るしかない。当時僕は後者だった。サッカーはチームスポーツだから、不満があるなら自分が影響力を持ってチームを変えるしかないのだ。

指導者になった今もサッカーノートを書いている。つまづいた時にノートを見れば忘れかけていた目標が書いてある。どうやって解決したら良いのか過去の経験談が書いてある。書いていないなら書き足していく。サッカーノートは『僕の道しるべであり、先生であり、進化する教科書』なのだ。

是非サッカーノートを書いたことがなかったり、暫く書いてなかったら書いてみてほしい。書く内容も考えてほしい。愚痴を書いても良いと思う。そうやって心の逃げ道を作っても良い。でも、サッカーはグラウンドで解決しなくてなならない。出来るだけ成長に繋がることを書こう。考えて考えて考えて。絶対に〝成長〟するから。自分だけのサッカーノートを。

『成功にとらわれるな、成長にとらわれろ』本田圭佑

 

 

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