【2018年ロシアW杯開幕!】ロシアvsサウジアラビア
いよいよ2018年ロシアW杯が開幕です!
多くのライターさん、ブロガーさん達が独自の記事を書いている中で僕はどんなことを書こうか迷った結果、 『GK目線』を織り込もうと思います。試合中GKがどんなことを考え、どこを見ているのか。GKをやっている選手はもちろん、GK以外の選手もそこを理解できればプレーの幅が増えること間違いなしです!
ということで、寝不足が続きますが幸せな悩みということでW杯楽しんでいきましょう。暇な時間にサラーっと流し読みしてくれたら嬉しいです。
GK紹介
ロシアGK 1番アキンフェーフ
サウジアラビアGK 1番マユフ
GKのファーストプレー
まずはじめに注目したいのはファーストプレーです。ファーストプレーが上手くいけば気持ちと身体がスムーズに試合に入ることはよくあります。特に、最初のセービングに注目です。集中力は大切ですが、このレベルで集中していない選手はいないでしょう。しかし、どんなに集中していてもミスが起きたり、失点に繋がってしまうのがW杯です。GK大変(笑)だからこそやりがいありますけどね!
アキンフェーフの最初のプレーはSBのバックパスからのロングキックでした。そのすぐ後、ロシアのファールによってマユフがPA(ペナルティエリア)外からFKを蹴ります。お互いに最初のプレーは対角線へのロングキックでした。
ロングキックについて
ロングキックは繋ぐのかクリアか目的によって大きく変わってくる。気を付けなければいけないのは、跳ね返されたボールでカウンターを受けること。よって、基本はサイドに蹴ることが多い。しかし、時に攻撃的なロングキックがある。前半アキンフェーフが一度蹴ったCBを超えるキックだ。サウジアラビアのCB間の距離が広かったためそこを狙ったのだろう。このように、ロングキックも『考える』必要がある。誰に蹴るのか、どこに蹴るのか、相手のポジショニングはどうか、跳ね返された時にセカンドボールを拾うことができるポジションに味方はいるかなど。
日本代表を例にしてみよう。LSBの長友の所に蹴られるのと、CBの吉田や槙野に蹴られるのでは後者の方が安心できるはず。少し弱めに蹴って、長友を釣りだしその裏に流すようにヘディングをする。そこにFWが抜け出せばサイドで起点をつくれたりする。
このようにGKにもアイディアとリスクを考える力が必要である。
ファーストシュートで失点
ロシアは前半12分、CKをクリアされたがセカンドボールを拾いファーサイドへクロスをあげヘディングでゴール。
マユフはファーストシュートを決められたことになります。まずマユフに注目すると、クロスに対してのポジショニングやバックステップでの時間と距離の確保はよかったと思います。ただ、最後数センチが届かなかった。伸ばした右手を見るとかき出すようにしてるのが分かります。もし、指先で外に流すようにしていたら身体も伸び結果は変わったかもしれません。
しかし!!!
この失点はDFのボールウォッチによってマークができていなかったことが問題です。サウジアラビアからしたらCKをクリアできたのでカウンターを狙いたい気持ちがあったと思いますが、セカンドボールをロシアに拾われてしまった。その時点で、もう一度マークを確認する必要があったでしょう。あとは、ゴールを決めた選手にマークしていた選手が途中で転んだのも不運でしたね。映像で見る限り接触はありませんでしたし。
マユフもファーストシュートではなくもう少しリラックスした状態だったら止めていたかもしれませんね。僕は最初のセービングはリズムを作る上で非常に大切だと思っています。
間合いを詰めるタイミング
前半43分、ロシアは追加点を奪う。ここでもGKに注目してみよう。ボールが動くに伴い正しいポジショニングをとっている。ただ、ロシア選手が最後PA内でDF2人を剥がしフリーになる。近距離のニア上はなかなか手が出ないが間合いを詰めるタイミングはどうだっただろうか。左足で中に切り替えしたタイミングで一歩前に出て、一瞬だが速く詰めることは可能だったはず。シューターへのプレッシャーも変わっただろう。
しかし!!!(2回目)
サウジアラビアのプレッシングが後手に回った結果生まれたゴールだ。まずロシアCBに対してLWGがプレッシャーをかけた。この時点でロシア右サイドに数的有利が生まれる。続いて左インサイドハーフの選手が遅れてRSBにプレッシャー。簡単にFWに縦パスをいれられ、ボールはスペースへ流れるが、RCBはポジショニングの悪さと反応の遅さでボールを収められてしまう。後は走り込んできた選手とLSHに数的有利を作られ失点。
あれだけスペースと時間を与えてしまうと攻め込まれるのは必然だし、攻守ともに連携がとれていなかった。また、失点の時間も悪かった。
後半の失点(GKに注目)
・3失点目(71分)
ロシア右サイドからのスローインで、またもプラスが後手に回る。マークを捕まえきれてない、クロスを上げた選手へのプラスに関しては緩い。GKに関してはノーチャンスだろう。しかし、見ている限りDFに対してコーチングが出来ていない。一緒にボールウォッチになってしまっている。特にスローインまでゆっくりだったので集中させないといけなかった。
・4失点目(90分+ 1)
ロシア自陣FKのロングボールからヘディングで落としたところを拾い、そのままミドルシュート。まず、セカンドボール拾った選手に対してマークがいない。拾われてからも距離を詰めることなく決められてしまう。このシュートを止めるは厳しいが、3点目同様コーチングしてないし決められてからもげきを送らない。
・5失点目(90分+ 4)
直接FK。壁に相手選手が入っていて見えないからあのポジシャンだったのか。もう半歩ニア寄りでも良かったように見える。キッカーも右利きの選手しか立ってなかったし、助走の角度もストレートでファーサイドにシュートは考えにくい。また、壁に入った相手選手に対して対応する選手がいなかったし、そもそも壁4枚は少なかったのではないか。
隠されたアキンフェーフ
今回の試合、サウジアラビアの枠内シュートは0本。アキンフェーフのシュートストップが見れなかったのが残念。分かったのは、ポジショニングは低めであること、ビルドアップでショートパスが少ないこと、ロングキックには自信を持っていること。マユフは失点の場面で書いたように隙がみえた。
日本代表には戦う姿勢を大切にしてほしい。
それにしてもNHKアプリの戦術カメラ最強(笑)