ポルトガルvs.スペイン【グループB好カード】
W杯最初の好カード。信じられない、いや彼なら起こることも予想できたかもしれない。ポルトガル対スペインの一戦、 3対3のドローに終わりますがポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを達成しました。
いや〜、凄いの一言(笑)
ってことで、またNHKさんの戦術カメラで試合を見ながらブログ更新していきます。
ロシアW杯なおきの『GK目線』。
GK紹介
・ポルトガル代表 1番ルイパトリシア
・スペイン代表 1番デヘア
ファーストプレー
今回も GKのファーストプレーに注目したい。足でさばくのかシュートストップかクロスか。うまくリズムをつかめるかが大切。
前半 4分ロナウドがPKを獲得し冷静に決める。デヘアに対するファースシュートがゴールに繋がってしまった。不運としか言いようがない。
PK判定後のデヘアの行動
まずPKの笛を鳴らされ、審判の方へ向かおうとするがすぐやめ、一度水分補給。一旦冷静になったのだろう。歩いて審判に向かい何かを話し、その後キッカーのロナウドの元へ。ここでもロナウドに何か話した模様。少しでもプレッシャーをかけたかったのだと思う。
PK自体はボールを蹴るより一瞬早く右に飛んだが、ロナウドはGKを見て判断したわけではなく、蹴る方向を決めていたと思う。
デヘアは始まったばかりの試合、うまく切り替えることができるか。
一方、パトリシアは前半10分にシルバにシュートを打たれるも枠外。しかし、ポジショニングやそこに至るまでの細かなステップはスムーズだった。ファーストプレーはゴールキック。最近ではゴールエリアの中央にボールを置き、左右どちらにも出しやすい状況をつくるGKも多い。キックをみるとあまり自信が無いようにみえる。
前半24分ジエゴ・コスタが得点。このシュートはパトリシアに対する一本目の枠内シュートだった。ポジショニングをやや前にしても止めることはできなかっただろう。
ポルトガルは後ろにウエイトが残っていたにもかかわらず、 1本のロングボールと1人の個人技で得点を許してしまった。GKを含めリスクマネジメント不足だった。
ロナウド2点目
前半44分ロナウドが追加点を決める。正面低めのミドルシュートを弾いたボールがそのままゴールへ。デヘアは準備もしていたし、ボールは正面、今大会のボールの性質で滑った様子もない。普段からマンチェスターUでプレーしている彼がボールスピードが速すぎたという理由も考えにくい。
ただ、腰を落としきれてない。確かにDFの距離の遠さから左右どちらにもシュートが来る可能性はあり、そこでの真ん中低めは意表を突かれた事もあるかもしれない。しかし僕は、このシュートの背景に注目するべきだと思う。
ポルトガルの枠内シュートはこれが2本目である。1本目はPKなので流れの中ではこれが1本目になる。GK経験者ならわかるかもしれない、ずっとシュートが来なかったが終了間際の強烈なシュートは意表を突かれる場合があるし、試合開始早々の失点の動揺も残っていたかもしれない。
もちろんロナウドにパスを出した17番ゴンサロゲデスをCBがルーズにしたことから始まったとはいえ、デヘアのミスに違いない。この舞台は普段のプレー、簡単なプレーを簡単にやるのが難しいのだと改めて感じた。
ジエゴコスタ2得点目
55分イニエスタがFKを獲得。シルバのクロスをブスケツが折り返し、コスタがゴール。GKはノーチャンスだった。では、どこに問題があったのか。
まず、コスタにマークが付いていなかった。近くにはポルトガル8番モウチーニョがいた。しかし、彼はイニエスタを意識し背後のコスタに警戒していないように見える。また、ラインをペナルティエリアに合わせるように味方に促していたため、ラインからはみ出したコスタ無視したのかもしれない。
次に、ポルトガルのストーン選手はロナウドとフェルナンデスだった。彼らはDFラインに入るも何もしていない。これは大きな問題では無いか?ロナウドはクロスと同時にポジションを下げているが、ブスケツの折り返しをクリアできるポジョンにまでは下がっていないし、フェルナンデスに関しては本当に何もしていない。
ポルトガルのマークやストーン、ポジショニングに問題があったのはもちろんだがジエゴコスタのポジショニングと準備力を褒めるべきか。
ナチョのスーパーゴール
58分ナチョのゴールで立て続けに追加点を奪ったスペイン。ポルトガルのクリアボールが味方選手に当たりナチョの元へ。GKノーチャンス。
大切なのはナチョに渡る前。右サイドで数的同数で崩されてしまった場面。中央でイニエスタ、コスタに簡単に起点を作られた場面。失点の状況を作らないことが大切。
ロナウドハットトリック!
88分自らFKを獲得し、直接決める。デヘアは左へステップするも反応できず見送った。FKで注目したいのは壁の作り方だ。1番背の高いピケを左から2番目に置いている。そして次に高いブスケツを1番左。ボールの軌道を見るとピケを1番端に置いたら結果は変わったかもしれないが、その時はまた別の軌道で狙って来ただろう。驚いたのはラモスを左から5番目に置いたことだ。左のキッカーもいるがこの状況はロナウドが蹴ることが予測できる。となると、デヘアのポジショニング含め、ラモスは3番目で良かったのでは無いかとも思う。蹴られた後を見ればわかるように、ラモスとピケは前に出て止める意識がビンビン伝わってくる。その彼らがニアに並んで立つのは非常に圧迫感もあるだろう。
これらは全て結果論だが、シュートが凄すぎた。で終わらすのは非常に危険で、成長がストップしてしまう。もちろん、ロナウドがスーパーだったのは間違いないが(笑)
まとめ
GKの難しさが改めてわかった試合だと思う。シュートストップが優れていても、時間帯やタイミングでその能力が発揮されない場合もあれば、ナチョのゴールのようにノーチャンスのものもある。また、デヘアのような優れた選手でもミスをすることを忘れてはいけない。そして、そのミスに対する評価や発言も充分に気をつけたい。